人の悪の増大
インターネットの普及によって世界のグローバル化が進み、ますます人類が統合され一体性が自覚される時代になっています。そのような時代を照らす光として、旧約聖書の創世記、特にその1章から11章は重要な意味をもっています。そこには天地創造と人類の堕落の歴史が描かれています。神は良いお方であり、その神が造られた世界は良いものであり、人間は神の似姿に造られた神の傑作でしたが、最初の人間アダムとエバの罪によって人類に罪が入り込み、人類は堕落して、ますます神から離れ、その悪は増大し、「その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾いた」(創6:5)のです。
そこで創造主なる神は、この地を大洪水で滅ぼそうとされました。
神の心かなう人ノア
地上の悪が増大する中で、ひとり「主の心にかなっていた」(同6:8)人物がいました。ノアです。彼は神とともに歩んだ正しい人・全き人でした。そこで、神はノアに大洪水を知らせ、ゴフェルの木で巨大な方舟(箱舟)を造り、木のやにで防水し、その方舟の中にノアとその家族また種類に応じて動物一つがいずつが入り、生き残るようにと命じられました。ノアは「すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」(6:23,7:5)のです。
渇いた陸地にそのような巨大な方舟を造ったノアを周りの人たちは嘲笑いましたが、ノアは神のことばを信じ、命じられたとおりにしました。また周りの人たちも方舟に入るよう説得したことでしょう。彼は神の「義(救い)を宣べ伝え」ました(Ⅱペテロ2:5)。
方舟に守られる
方舟に入ったノアの家族と動物たちは、どんな高い山々をも覆うほどの大洪水により地上の生き物がみな死に絶える中で、神の特別な愛顧により、漏水もなく完全に守られていました(創世記7:16,8:1)。150日経って水は減り始め、方舟はアララテ山上にとどまり、やがて山々の頂が現われ、ノアが鳩を方舟から放つと、二度目に鳩はオリーブの若葉をくわえて戻って来ました。地上に新しい生命の息吹が始まったのです。やがてノアとその家族また動物たちが方舟を出ると、神は雲の中に虹を立て、再び地を水で滅ぼさないと約束されました(同9:13-15)。
このノアの方舟の物語は、私たちに何を教えているのでしょうか。第一に、神は増大する罪を必ずさばかれることです。第二に、神のことば(命令)に従ってノアたちが方舟を造りその中に入って滅びから救われたように、イエスを信じイエスの中に入るなら、だれでも滅びから守られ、救われることです(ヨハネ10:27-30;ヘブル11:7;Ⅰペテロ3:21)。